医薬部外品の広告表現の規制を徹底解説!

法規制・ガイドライン解説

美容系の商材を扱う企業さんや個人事業主さん、そしてアフィリエイトやSNSで美容情報を発信している皆さん、日々の広告作成お疲れさまです!

美容広告って、「もっと魅力的に伝えたい!」という気持ちと「法律を守らなきゃ」という責任感のバランスがとても難しいですよね。
「これくらいなら大丈夫かな?」「もしかして違反してないかな?」と不安になる方も多いはず。

そこで今回は、医薬部外品の広告表現に焦点を当て、安心して広告が作れるようにガイドラインを分かりやすく解説します。


医薬部外品って何?化粧品や医薬品とどう違うの?

まずは基本を確認しておきましょう。美容商材には大きく分けて「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つがあります。

品目定義
医薬部外品人体への作用が緩和なもの。吐き気や不快感の防止、口臭・体臭の防止、あせも・ただれの防止、脱毛防止、育毛、除毛、肌荒れ防止など。
化粧品身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えたり、皮膚や毛髪を健やかに保つことが目的。作用は緩和化粧水、乳液、シャンプー、ファンデーション、口紅など。
医薬品病気の診断・治療・予防を目的としており、作用が強いため規制も厳しい。風邪薬、解熱剤、抗生物質、湿布薬など。

例えば「フケ・かゆみを防ぐ薬用シャンプー」は医薬部外品ですが、「円形脱毛症を治療する外用薬」は医薬品になります。

似たような商品でも分類が違うので、広告作成時はまず商品の区分を正しく理解することが大切です。


医薬部外品広告の基本ルール

医薬部外品の広告で一番大事なのは 「承認を受けた効能効果の範囲を超えないこと」

広告では消費者に誤解を与えるような表現は「不当表示」として法律違反になります。
厚生労働大臣が承認した効能効果の範囲内で広告を行うことが鉄則です。

たとえば「ニキビを防ぐ薬用化粧水」という表現はOKですが、「ニキビが治る薬用化粧水」と書いてしまうと医薬品の範囲に踏み込んでしまいアウトになります。


NGになりやすい広告表現のパターン

ここからは、特に注意が必要な広告表現を見ていきましょう。

医薬部外品の効能効果の範囲

効能効果は通知で具体的に示されています。ただし、承認を受けていない効能は広告できません。
「科学的に効果がある」からといって、承認外の効能を謳うのはNGです。

効能効果の読み換え

承認された言葉を勝手に置き換えることはできません。

書き換えることで消費者に誤解を与えたり、本来の意味とは異なってしまうことを防ぐために規制されています。

承認されている効能効果
(正しい表現)
読み換えNG表現例理由
「肌荒れを防ぐ」「肌荒れを改善する」「改善」は治療的効果を意味し、医薬品の領域になるためNG。
「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」「シミが消える」「シミを治す」「防ぐ」と「治す」は意味が異なり、誤認を招く表現。
「毛髪や頭皮を清潔に保つ」「フケが治る」「頭皮トラブルを改善する」「治る」「改善する」は医薬品的効能となりNG。
「ニキビを防ぐ」「ニキビを治す」「ニキビがなくなる」「治療効果」を暗示してしまうため、承認効能を超える表現。
「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」「日焼けをしなくなる」「肌が白くなる」防止目的を超えて“美白効果”や“完全防御”を保証するのはNG。
承認されている効能効果とNG例

未承認の効能効果の表現

たとえ実際に効果があっても、未承認の効能効果を広告してはいけません。

例えばビタミンC誘導体にシワを防ぐ効能効果があるとわかったとしても、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」という効能効果の承認を受けている製品であれば、広告で表現できるのは「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」に限られます。

副次的効果の表現

副次的効果を謳うのはNG。承認されている効能そのものだけを伝えましょう。

例えば、「シミ・そばかすを防ぐ」と承認されている薬用化粧品があります。

この場合、広告で言えるのは 「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」 までです。

でも現場ではつい、

  • 「肌が明るくなる」
  • 「美白肌になれる」

と表現したくなりますよね。

しかし、これは「シミを防ぐ」効能から連想される“副次的なイメージ”を、そのまま広告で強調してしまったNG表現になります。
承認されていない効能を追加していることになるため、誇大広告にあたる可能性があります。

他にも例えば「血行促進によって肌に栄養が行きわたって乾燥を防げる」といった事実があったとしても、血行促進の承認を受けている製品であれば血行促進のみが謳えます。

効能効果のしばり

メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」のように条件がついている場合、省略してはいけません。条件込みで記載する必要があります。

しばり表現には他に「乾燥による」「日焼けによる」など、様々な表現があります。

個々の有効成分の説明

成分について説明する際は、医学的に認められた事実に基づき、かつ承認範囲を超えないことが大前提です。

例えば「グリチルリチン酸ジカリウム=肌荒れ防止成分」と事実を淡々と記載するのはOKですが、「ニキビを治す魔法の成分!」といった表現はNGです。

複数効能の広告

複数の効能が承認されている場合、その中の一部だけを広告するのはOKです。

ただし、その効能効果の「専用」と誤解させるような書き方は避けましょう。

「専用」表現については、複数効能とは別に禁止されています。

化粧品等で「敏感肌専用」のように特定の肌向けであることを強調する用法用量に関する表現は、効能効果や安全性について事実に反する認識を与えるおそれがあるため、原則として行わないこととされています。

複数効能の数を強調

「5つの効果!」など、複数の効能効果を数字で示す場合には、

  • 承認された効能効果の範囲内であること
  • 科学的根拠をもつこと
  • 専門薬的な印象を与えないこと
  • その数字と同じ数だけ効能効果が具体的に列挙されていること

ということが必要です。

「○○を防ぐ」の表現

「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものを、単に「○○に」等の表現はしてはいけません。

ただし、承認された効能効果がわかりやすく別記されていれば表現可能です。

薬用化粧品での化粧品表現

薬用化粧品の場合、承認範囲の効能+化粧品の効能も使えます。

ただし医薬部外品であることを隠し、一般化粧品のように捉えられる広告はNGです。


絶対に避けるべき表現例

この他に、医薬部外品広告で特に使われがちなNG表現は以下のパターンです。
これらは医薬部外品だけでなく、一般化粧品でも使ってはいけない表現なので、よく覚えておきましょう。

  • 「必ず効果がある」「絶対安全」といった保証表現
  • 効能効果を謳う体験談や口コミ
  • ビフォーアフター写真での効果表現
  • 医師や大学が推薦しているように見える表現
  • 「No.1」「最高の効果」など最大級の表現(根拠がある調査結果以外はNG)
  • 他社製品を否定する表現
  • 「治療」「改善」「発毛」など医薬品的な言葉
  • 「デトックス」「痩身」「細胞レベル」など範囲外の表現
  • 「浸透」で角質層より深部を想起させる表現
  • 「エイジングケア」を老化防止の意味で使う表現(年齢に応じたお手入れならOK)

例えば「芸能人も愛用!これであなたも若返り!」なんて広告は、一見キャッチーですが完全にNGワードのオンパレードです。

こうした表現は短期的には消費者の目を引けても、長期的にブランドの信用を失うリスクが大きいので要注意です。


まとめ:正確な情報で信頼を積み重ねよう

医薬部外品の広告規制は一見複雑ですが、基本はシンプルです。

承認された範囲内で、事実に基づき、誤解を与えないように正確に伝えること。

広告は消費者にとって重要な判断材料です。誇大表現や虚偽広告は、信頼を失うだけでなく法令違反にもなります。

もし「この表現どうなんだろう?」と迷ったら、専門家に相談したり、消費者庁や厚労省の最新情報をチェックするのがおすすめです。

あなたの広告が「正しい情報」であふれ、消費者から選ばれる信頼ブランドになることを願っています!

コメント

タイトルとURLをコピーしました